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【米道具特集】vol2.
経木 -
はさがけ米のおにぎりを美味しくする最先端の包装材

文責:古庭屋商店・小林茂和/写真:古庭屋商店・小林茂和(メイン写真を除く)/最終更新日:2020.12.14


  1. 経木でおむすびを包んでみました
  2. 経木の名前の由来
  3. こんな時が経木の出番
  4. 経木で包む時の注意
  5. 天然の木から作られます
  6. 木の伐採は自然の破壊…?
  7. 当店で取り扱うのは、東北唯一「古川経木」

恥ずかしながら…
人生初、経木でおむすびを包んでみました。

物は試し。 「経木で包むとおむすびが美味しくなる、海苔も手につかない。」そんな話を聞いて早速試してみました。経木を手に入れ、晩御飯で余ったご飯をおむすびにして経木と新聞紙で包み、一晩置いて翌朝食べたみたのです。まぁ美味しいこと美味しいこと。「こんなに素晴らしい包装材があったのか!」という驚きと「古庭屋商店にピッタリではないですか!」という喜びは、「心が踊りだす」そんな比喩がピッタリでした。


おむすびを経木で包む古めかしい経木も、
改めて見直せば環境に優しい優等生。


昭和52年生まれの私、物心ついた時からおむすびはラップフィルムかアルミホイルで包まれていましたし、お店で購入したものを経木で包んで渡された記憶も皆無に等しく、つまりは経木体験が全くない私にとって、この「おむすびを包んでみた体験」は、おむすびを美味しくする包装材に出会った感動の瞬間でした。と同時に「なぜこんなに素晴らしい包装材を隅に追いやってしまったのか」と、便利・簡単を追い求めてしまう人間の性への憤りも多少なりとも感じてしまったのです。



経木の名前の由来

紙が高価でまだ一般的でなかった頃、木を薄く削ってお経を書いていたことが「経木」の名前の由来と言われています。地域にもよりますが、お寺さんでは「経木塔婆」と呼ばれる薄くて小さめの塔婆を見ることもできます。また、木の札に文字を書くことは、記録するための古くからの最適な手段でした。いわゆる「木簡」ですね。日本最古の木簡は7世紀まで遡ることができます。

名前の由来だけでこれだけ時代を流れを感じることができるのも経木の魅力の一つ。日本で古くから使われてきた生活用品であることがよく分かります。

こんな時が経木の出番

料理を美味しくする経木
潤いを逃がさない「保湿」を考えるなら、ラップフィルムが最適ですが、適度な湿り気を保つ「調湿」では、経木の側に一日の長があります。

例えばおむすびを包む場合、水分を逃がさないラップフィルムではなく、断然、経木がおすすめです。

ラップで包むと内側についた水滴でお米がビショビショになりますが、経木であれば適度に湿気を吸収し美味しさをキープしてくれます。

海苔を巻かずにおむすびを包む場合は、経木の内側をあらかじめ少し濡らしておくとよいでしょう。


水分を吸収した経木おむすびを包んだ直後の経木。
水分を吸収してくれているのがわかります。


お肉やお魚の保存に
冷蔵庫でお肉やお魚を保存する際、ドリップを吸収するならキッチンペーパーの類が最適ですが、水分を吸いすぎて食材の食味を損なわないために、キッチンペーパーと食材の間に経木を一枚挟んでみてはいかがでしょう。

揚げ物やお弁当時に敷物に
お弁当の底に敷けば美味しさを保ちながら水分を吸収してくれますし、バランの代わりに仕切りに使うのも良いですね。ご家庭では揚げ物の料理を提供する際にお皿に敷くと、余分な油を吸って揚げ物を美味しくし、且つ洗い物も楽になります。

お店で使われる経木
私の母はこう言います。「お母さんが子供の頃、お肉やさんで使ってたわ。揚げ物も経木で包んでくれたような…。懐かしいわ。」
改めてよくよく世間を見てみれば、未だに経木が使われているケースがあります。横浜崎陽軒のシウマイ弁当、茨城県の下仁田納豆、水戸納豆、ここ秋田県羽後町ではお饅頭が経木に包まれております。


佐々木饅頭さんの経木で包まれたおまんじゅう秋田県羽後町、佐々木饅頭さん。
お饅頭が経木に包まれています。


郷土の風習と経木
秋田のおばあちゃんに聞くと、お米収穫後には地域の農家さん総出で農協への出荷作業を行っていたようで、ひとつ60kgの米俵を担いで出荷作業を行う人夫さんのタバコ(=休憩)用に、大きなおむすび2つとお新香を経木で包んで人数分用意することが習わしだったようです。その量、3升(3じょう=30合)!

お話を聞いたおばあちゃんのお義母さん、自分の家がそのおむすびを用意する番が回ってきた時、3升を一度に炊けるお釜を新調したそうです。。



経木で包む時の注意

経木での包み方経木で包む時は手のひらでそっと押さえるように。


経木で包む時は、上の写真のように指の腹や手のひらを使ってそっと押さえるように包んでください。端っこ(短辺部分)をつまんで引っ張ると縦に裂けてしまうので注意が必要です。

また、経木ヒモで結ぶ時もその方向に注意しましょう。以下の写真のように木の繊維方向と直角にヒモを渡して結びましょう。


経木で包んだおむすびのお弁当一度失敗すると体が覚えます。


経木の隙間から乾燥した空気が長時間入り込むようだと調湿作用が追いつかずに乾燥する場合があります。必要以上の乾燥が気になる場合は経木で包んだ上から新聞紙で包むのがベスト。おむすびもこのようにして持ち運ぶことをお勧めします。


新聞紙で包んだ経木のおむすび弁当経木の上から新聞紙で包むのがおすすめ。

天然の木から作られます

経木の製造工程「乾燥」束ねて天井から吊るし、
扇風機で風を当てて乾燥させます。


伐採した木を紙のように薄く削り出して乾燥させたモノが経木です。工程は「切って、削って、干す」。つまり、天然の木そのものです。

素材として多く使われるのがアカマツですが、ここ東北では昔からシナ(榀)の木が使われてきました。北海道ではシナの木の仲間である菩提樹がよく使われます。

アカマツの経木の利点は殺菌作用と言われます。シナの経木の殺菌作用についてはエビデンスを確認したことはありませんので、それについては言及できませんが、シナの経木の利点は別のところにあります。木の香りがほとんどしないため、食材の香りを邪魔しないのです。菩提樹の経木も同様です。



木の伐採は自然破壊?

山ひとつを一度に丸裸にしてしまうような伐採方法は未だによく見かけますし、そのような伐採方法は植物の生態系や動物の生態系への影響、山の保水力の低下や土砂の流出、それによる海への影響などなど、様々な問題をはらんでいます。

しかし、経木製作の為の山の木の伐採は好影響ばかり。森の木が間引かれることで太陽の光が地面に届き、別の種類の木や植物が育ち始めます。新しく木が育ってくることは森が若返ること。つまり山の”植生の多様化”と森の”世代の多様化”が同時に起こるのです。植生が多様化することは、そこに住む動物も多様化することを意味します。森の世代が多様化し、若い元気な木が増えると病気にもかかりにくく、健康な森になります(人間の社会も高齢化すると元気がなくなり、医療費が高騰することに似ていますね)。

経木製作のために山を丸裸にしてしまっては元も子もありませんが、現在のマーケットにおける経木の立ち位置を考えるとその心配はきっと不要です。

当店で取り扱うのは、東北唯一「古川経木」

以前は秋田にも経木工房がありましたが、今では東北地方に残る経木工房は1軒のみとなってしまいました。

古庭屋商店では、秋田のお隣、岩手県雫石町にある東北唯一の経木工房「古川経木」さんの経木を取り扱っております。経木に使われるのは白くて素直でクセが少ないシナの木で、食材の香りを邪魔しません。ぜひ、お買い求めください。


経木のおむすび弁当を作る古川経木さんの経木でおむすび弁当を作成中
購入はこちらから↓↓↓

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